♪「シャンソンを貴方に…」〜シャンソン情報TV番組オンエアのご案内〜
東京メトロポリタンテレビジョン(MXTV)にて毎回多彩なゲストをお迎えして見ごたえのある30分番組となっています。
   
☆TOKYO MXTV  監修:大野修平
ナナ・ムスクーリ特集
 4月14日(水) 20h00〜20h30 新人紹介:畠山文男/岩崎桃子
 4月28日(水) 20h00〜20h30 (再放送)
   
アルベール・プレジャン、ダニエル・ダリュー特集
 5月12日(水) 20h00〜20h30 ゲスト:仲マサコ
 5月26日(水) 20h00〜20h30 (再放送)
  仲マサコさんは「不実女の嘆き」を歌います。
   
ミスタンゲット、モーリス・シュヴァリエ特集
 6月9日(水) 20h00〜20h30 ゲスト:石井好子
 6月23日(水) 20h00〜20h30 (再放送)
  石井好子さんは「バルバリ・バルバラ」を歌います。
この「修平のひとりごと」は、2ヶ月ごとに削除いたしますので、必要な方はご自分で保存してください。(管理人)
バックナンバー→  4月 5日〜 12日〜 19日〜 26日〜  5月 6日〜 10日〜 17日〜
 

穴はなかなか奥深い  5月28日(金) 曇り

 

 近頃、マカロニを食べましたか。
 僕は2カ月ほど前、サラダにして食べた。あまりしょっちゅう食べることはないなぁ、スパゲッティに比べると。でも、なぜなんだろう。日本の場合、サラダの他にはグラタンにくらいしか利用されないからだろうか。スパゲッティの方が圧倒的にレシピが多いもんねぇ。

 しばらく前のこと、書店で面白いタイトルの本に目が留まった。『マカロニの穴のなぞ』(朝日新聞社、2001年)。著者はグラフィックデザイナーの原研哉さん。シルヴァーグレイの表紙に潜望鏡みたいな物体が3つ並んで口を開けている。どうやら、かつて原さんが日本の建築家やデザイナーを集めてミラノで催した「マカロニ展」に出した作品のようだ。
 原さんは集英社新書のデザインを手がけている。そういえば、あのシリーズもシルヴァー・グレイを基調としていたっけ。

 その洒落た作りの本を手に取る。中身はエッセイ集。それにしても気になるタイトルだ。マカロニの穴に何か秘められた謎があるんだろうか。早く答を知りたくなった。穴のある理由が3つ挙げられていて、どれももっとも思える。どんな理由かは本を買って読んでくださいね。

 さすがグラフィックデザイナーらしく、ページレイアウトに工夫が凝らされている。といっても、これ見よがしに奇抜なデザインをひけらかすのではない。読みやすさに重点が置かれているのだ。まず右側のページにひとつの章の題目があって、それに関連したイラストが掲げられている。思い切り簡素化した太い線で描かれたものだ。本文は次のページから始まる。このスタイルで全篇が貫かれている。

 マカロニの穴について読んで、他の穴にも思いが及んだ。ドーナツにも穴がある。子供の頃、電車やバスのつり革の輪がドーナツに見えたことがあった。変な子だったのかなぁ。どれも穴は無駄に空いているわけじゃない。穴があるからこそ、ものの役に立つというものだ。

 度忘れすることをフランス語で「記憶の穴を持つ」"avoir un trou de memoire"(アヴォワール アン トルゥ ドゥ メモワール)と表現する。これまた面白い。
 エディット・ピアフがオランピア劇場のステージで歌詞を忘れてしまったことがあった。当時の支配人ブリュノ・コカトリクスがその思い出を語っている。(注)それは「わが友リュシアン」 "Mon vieux Lucien"で、歌い出して途中で止まる。それはライヴ盤にも残されている。で、最初からやり直したところ大受けしたので、わざと毎晩それを繰り返した。観客たちは「ピアフが間違った夜、自分はその場にいた」と嬉しそうに他の人たちに触れまわった。
 人々はレコード屋に行き「(記憶の)穴のあるピアフのレコードをくれ」と望んだ。ユーモアセンスのある店員はこう答えたそうだ。「レコードにはみんな穴が空いてますよ」。そりゃそうだ。CDになったいまも真んなかには穴が空いてるもの。
 穴はなかなか奥深いもの、なんである。

(注)Bernard Marchois《Edith Piaf "Opinions publiques" 》TF1 Editions,
1995pp.77〜78


♪Petites annonces 〜1

☆ピアフの名曲・名唱196曲を手に入れてみませんか。

『エディット・ピアフ大全集 1946-1963』(CD9枚組:東芝EMI CP28-5791〜5799)。
通信販売で、という方は東芝EMI株式会社ファミリークラブ(Tel 03-5512-1763)へ。商品番号「10362」とお申し込みください。
他社のファミリークラブなど通販会社をご利用の場合の商品番号は「GSD-12201-9」。

 [公演問合わせ先]

 ◎「パリ祭」
  パリ祭実行委員会
  Tel:03-3533-1300
  URL:http://www.paris-sai.com

 ◎ミュージカル『エディット・ピアフ』
  株式会社 三都企画
  東京都港区芝3-40-6港ビル本館6F
  Tel:03-5443-7576
  Fax:03-5443-7295
  mail:san@mitokikaku.co.jp
  URL:http://www.mitokikaku.co.jp

 ◎『愛の讃歌〜ピアフとマルセル 愛の手紙』
  バウスプリット株式会社
  東京都江東区富岡2-5-6-101
  Tel:02-3642-4422
  Fax:02-3642-4423


♪Petites annonces 〜2

映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』

[監督]
  マルセル・シューバッハ

[出演]
  モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベート・ロス、小林十市、クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタヴィオ・スタンリー、モーリス・ベジャールバレエ団

公開は6月中旬から、恵比寿ガーデンシネマで。
 tel.03-5420-6161
 http://www.cineplex.co.jp

詳しい情報はhttp://www.bcommebejart.comをご参照ください。

 バルバラ、ジャック・ブレルのシャンソンが多用され、モーリス・ベジャールのひとつのバレエ作品『リュミエール』が創り上げられるまでを追ったドキュメンタリー。プログラムに僕が映画で取り上げられたシャンソンについての解説を書いています。


♪Petites annonces 〜3

 カーラ・ブルーニ
  デビュー・アルバム
 『ケルカン・マ・ディ
  〜風のうわさ』
 (コロムビア V2CP-181)
 日本盤のみCD extra
 「ケルカン・マ・ディ」
  レオス・カラックス
  監督作品PV収録

フランス・アーティスト来日情報

カーラ・ブルーニ Carla Bruni

[日時]6月21日(月)、22日(火)
    18h30開場 19h15開演
[会場]恵比寿ガーデンホール
[主催]J-WAVE
[後援]フランス大使館文化部
[協賛]恵比寿ガーデンプレイス株式会社
[協力]コロムビアミュージック
    エンタテインメント株式会社
[企画制作]カンバセーション
[料金]\8,500(全席指定・税込)
[チケット取扱い]
チケットぴあ
 0570-02-9966/Pコード:P169-782
ローソンチケット
 0570-063-003/Lコード:L33331
イープラス
 eee.plus.co.jp(PC、携帯から利用可)
カンバセーション
 03-5280-9996(10h00〜19h00)


♪Petites annonces♪
『素顔のエディット・ピアフ』
(エプコット ALB-0020 2枚組)
〈発売・販売元〉エプコット
http://www.alcine-terran.com
『エディット・ピアフ 天に届く声』
《Edith Piaf la voix montait jusqu'au ciel》
『エディット・ピアフ
  シャンソンの誕生』
《Edith Piaf Quatre ans deja》
〈翻訳〉宇藤靖子
〈協力〉大野修平
¥9,240(本体価格\8,800)

このDVDについては、4月23日付「幸せなのは一日に10分だけ…」に紹介文を書きました。本欄上部の「バックナンバー」で当該の日付をクリックしてご参照ください。

   


   

木に登る豚  5月27日(木) 曇り

 

 自分のことなのに、なかなか思うようにいかないことがある。仕事のペースだ。とりかかるまではああしよう、こうしてみたい、とアイディアは夜空を埋め尽くす星の群みたいに浮かんでくる。ところが実際に始めてみると、途端に暗礁に乗り上げてしまう。あれ、こんなはずじゃなかったのに…。右に行っては壁にぶつかり、左に進めば足を滑らせて転んでみたり。七転八倒という言葉が実感をもって迫ってくる。

 楽しい作業であることは間違いない。好きなシャンソン・フランセーズについての本を書いている最中なんだから。
 ほんとは去年のうちに世に送り出すはずだったのだけれど、考えがまとまらないまま徒に月日が流れ去り、ただの一文字も書くことができずに締め切りを過ぎてしまった。結果として出版を見送らざるを得なかった。
 同じことを繰り返すわけにはいかない。今度こそ、という思いが先に立つ。が、原稿用紙、じゃなかった、パソコンのディスプレイに向かうと書くべき言葉がまるで出てこない。何度もそんなこととがあった。無力感に苛まれる日々が続いた。

 でもいつかきっと書ける瞬間がやって来る。その思いだけは失うことはなかった。駄目なんじゃないだろうか、なんて思ったら自分に負けてしまう。いままでだって何とか切り抜けてきたんだからできないはずがない。何も書くことができずに一日が終わってしまっても、自らにそう言い聞かせることをやめなかった。

 平凡社の編集者Sさんと決めた締め切りは5月末。まだまだ時間はある、なんて思っているうちに3月は去り、4月は過ぎて行った。
 本の構成としては、僕の好きなシャンソン歌手、アーティストを20人ほど選び、これまた僕が気に入っている作品の原詞と対訳を併せて掲げる。さらにその歌手やシャンソンについて僕の思うところを付け加える、というもの。

 原詞、対訳はすでにSさんに渡した。あとは文章だ。それぞれの歌手について、いくつかポイントとなる事柄はメモしてある。それを組み立てていけばいいのだけれど、そう簡単にはいかないので悩んでしまった。
 なぜか。CDのライナー・ノーツなどでは、あるアーティストや楽曲について客観的に紹介する文章を書くのが普通だ。自分の好みを前面に押し出すことはしない。そんな書き方に慣れてしまっているせいか、初めにSさんに渡した原稿は典型的な曲目解説風の体裁だった。「もっと自分を出してほしい」。そう言われてしまった。

 気を取り直して、シャルル・トレネについて書き改めた文章を提示してみた。1989年に行なわれた東京公演の時に会っているので、その時の印象を織り交ぜて書いた。「いいですね」とSさん。そう言われてほっとした。宿題の出来を褒められた小学生みたいな気分で書き進めている。編集者のひとことは励みになる。まさに「豚もおだてりゃ木に登る」というところ。もっともこの豚、木に登るのに出過ぎた腹がちょいと邪魔になるけれども。


♪Petites annonces 〜1

☆ピアフの名曲・名唱196曲を手に入れてみませんか。

『エディット・ピアフ大全集 1946-1963』(CD9枚組:東芝EMI CP28-5791〜5799)。
通信販売で、という方は東芝EMI株式会社ファミリークラブ(Tel 03-5512-1763)へ。商品番号「10362」とお申し込みください。
他社のファミリークラブなど通販会社をご利用の場合の商品番号は「GSD-12201-9」。

 [公演問合わせ先]

 ◎「パリ祭」
  パリ祭実行委員会
  Tel:03-3533-1300
  URL:http://www.paris-sai.com

 ◎ミュージカル『エディット・ピアフ』
  株式会社 三都企画
  東京都港区芝3-40-6港ビル本館6F
  Tel:03-5443-7576
  Fax:03-5443-7295
  mail:san@mitokikaku.co.jp
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 ◎『愛の讃歌〜ピアフとマルセル 愛の手紙』
  バウスプリット株式会社
  東京都江東区富岡2-5-6-101
  Tel:02-3642-4422
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♪Petites annonces 〜2

映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』

[監督]
  マルセル・シューバッハ

[出演]
  モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベート・ロス、小林十市、クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタヴィオ・スタンリー、モーリス・ベジャールバレエ団

公開は6月中旬から、恵比寿ガーデンシネマで。
 tel.03-5420-6161
 http://www.cineplex.co.jp

詳しい情報はhttp://www.bcommebejart.comをご参照ください。

 バルバラ、ジャック・ブレルのシャンソンが多用され、モーリス・ベジャールのひとつのバレエ作品『リュミエール』が創り上げられるまでを追ったドキュメンタリー。プログラムに僕が映画で取り上げられたシャンソンについての解説を書いています。


♪Petites annonces 〜3

 カーラ・ブルーニ
  デビュー・アルバム
 『ケルカン・マ・ディ
  〜風のうわさ』
 (コロムビア V2CP-181)
 日本盤のみCD extra
 「ケルカン・マ・ディ」
  レオス・カラックス
  監督作品PV収録

フランス・アーティスト来日情報

カーラ・ブルーニ Carla Bruni

[日時]6月21日(月)、22日(火)
    18h30開場 19h15開演
[会場]恵比寿ガーデンホール
[主催]J-WAVE
[後援]フランス大使館文化部
[協賛]恵比寿ガーデンプレイス株式会社
[協力]コロムビアミュージック
    エンタテインメント株式会社
[企画制作]カンバセーション
[料金]\8,500(全席指定・税込)
[チケット取扱い]
チケットぴあ
 0570-02-9966/Pコード:P169-782
ローソンチケット
 0570-063-003/Lコード:L33331
イープラス
 eee.plus.co.jp(PC、携帯から利用可)
カンバセーション
 03-5280-9996(10h00〜19h00)


♪Petites annonces♪
『素顔のエディット・ピアフ』
(エプコット ALB-0020 2枚組)
〈発売・販売元〉エプコット
http://www.alcine-terran.com
『エディット・ピアフ 天に届く声』
《Edith Piaf la voix montait jusqu'au ciel》
『エディット・ピアフ
  シャンソンの誕生』
《Edith Piaf Quatre ans deja》
〈翻訳〉宇藤靖子
〈協力〉大野修平
¥9,240(本体価格\8,800)

このDVDについては、4月23日付「幸せなのは一日に10分だけ…」に紹介文を書きました。本欄上部の「バックナンバー」で当該の日付をクリックしてご参照ください。

   


   

「必要なムダ」と「スローダウン」  5月26日(水) 晴れ

 

 「打てば響く」という言葉にはいいニュアンスがある。少なくとも「蛍光灯」と言われるよりはずっといい。反応の素早い、頭脳明晰な奴と形容されているようなものだから。
 パソコンもそうだ。CPUの性能がどんどん向上するのにつれて、処理能力がぐんとアップしてゆく。僕もデスクトップとノート型を使っているけれど、去年買った後者の方が圧倒的に仕事ぶりが速い。カスタマイズが過ぎて動作がおかしくなり、OSを再インストールする場合のスピードが倍以上速いのだ。それから先の復旧作業に手間取るのだから、これはありがたい。

 「速さは力」。IBMのDOS/V(IBM/PC AT互換機)が日本で普及し始めた頃、全盛の勢いを誇っていたNECのPC98シリーズがぶつけてきた宣伝文句がこれだったそうだ。なるほど、打てば響くようなスピードは使用者に余計なストレスを感じさせないから、言いえて妙な表現ではある。

 「ITmedia」(5月18日付)に興味深い記事があった。「プロフェッサー竹村のIT的“スローライフのススメ” “スピード”は“習慣性のある合法ドラッグ”なのだろうか?」。要約すれば「速いことだけがいいんだろうか」という趣旨の記事だ。書いたのは竹村譲さん。日本アイ・ビー・エム時代はDOS/V生みの親として知られた方で、NECから発せられた前述の宣伝文句を受けて立った当事者だ。

 パソコン、携帯電話、Eメールなどの普及で僕たちの暮らしはずいぶん便利になった。しかし、僕たちはその対価として、自分のための時間や余暇といった時間的な余裕を手に入れているだろうか、と主張されている。ITは人を幸せにしているか、という指摘でもある。

 う〜ん、考えさせられるなぁ。たしかに便利になってはいるけれど、ウイルスやスパムメールに悩まされたり、メールで送ったはずの添付ファイルがなぜか届いてなかったりなど、かえってストレスの原因になるようなことも少なくないし…。それらのトラブルを解決するのに、仕事のためにとっておいた時間を宛てなければならないなんて腑に落ちないよなぁ、と思うから。

 それはともかく、竹村さんはこう書く。「明日できることは明日に」、「できるけれども、今はやらない」。これは「人間の最も優れたユニークな判断能力のひとつ」と。そして、闇雲なスピードアップに囚われず、「必要なムダ」と「スローダウン」に積極的な意味を見出すべきだ、とおっしゃる。IT業界をリードしてこられた人物の発言という点が重要だと思う。

 仕事に関してフランスには面白い諺が二つある。
 「仕事を明日に延ばすな」"Ne remets pas a demain les affailres"(ヌ ルメ パ ア ドゥマン レザフェール)。
 「仕事は明日だ」"A demain les affaires"(ア ドゥマン レザフェール)。

 仕事は好きなんだけど怠惰な僕は、後者に傾きそうになる自分といつも戦っている。


♪Petites annonces 〜1

☆ピアフの名曲・名唱196曲を手に入れてみませんか。

『エディット・ピアフ大全集 1946-1963』(CD9枚組:東芝EMI CP28-5791〜5799)。
通信販売で、という方は東芝EMI株式会社ファミリークラブ(Tel 03-5512-1763)へ。商品番号「10362」とお申し込みください。
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  パリ祭実行委員会
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映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』

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公開は6月中旬から、恵比寿ガーデンシネマで。
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 カーラ・ブルーニ
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[日時]6月21日(月)、22日(火)
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「老若に問うバラード」を聴きながら  5月25日(火) 晴れ

 

 マヌーシュ・スウィングのコンピレーション・アルバム『ジプシー・ジャズ・リユニオン』(オーマガトキ OMCX-1117)を聴いていたら、懐かしいメロディーに出会った。ジョルジュ・ブラッサンスのシャンソン「老若に問うバラード」。演奏しているのはトリオ・ジヴォヌ Trio Givone。軽快なテンポのスウィング感が小気味いい。かつて同社からリリースされた『ジョルジュ・ブラッサンスのすべて1』(SC-3104〜5)の曲目解説を書いたことがあるので、懐かしさを覚えたのだ。プティ・フランセというコンボの演奏も味わいがあるけれど、このトリオ・ジヴォヌも楽しく聴ける。

 原題は"Le temps ne fait rien a l'affaire"(ル タン ヌ フェ リアン ナ ラフェール)で、訳せば「仕事は時間と関係ない」という意味。仕事の価値はその出来栄えにあるのであって、仕事に要した時間の長短とは関係がない、ということ。元になっているのはモリエールの戯曲「孤客」(これは辰野隆氏訳。他に「人間嫌い」という訳もある。)のなかに出てくる台詞。セリメーヌに思いを寄せるオロントが15分で詩を書いたことを自慢げに語るのに対して、アルセストから発せられる。

 上記の例で言えば、時間をかけて書いても、一気呵成に書き上げたとしても、作品としての仕上がりが良くなくては話にならない、といったニュアンスも含まれていよう。
 ブラッサンスはそれに独自の解釈を盛り込んだ。年長者と若者を対比してみせた。前者は長い時間を生きているのに対し、後者は生まれてから今日まで生きてきた時間は短い。両者の間に流れた時間の長短と、その結果である本人とは無関係さ、という主張だ。ルフランの歌詞を見てみよう。

Le temps ne fait rien a l'affaire
Quand on est con, on est con
Qu'on ait vingt ans, qu'on soit grand-pere
Quand on est con, on est con

時間は仕事の出来栄えと関係ない
間抜けな奴は間抜け
二十歳であろうと 爺さんであろうと
間抜けな奴は間抜けなんだ

 言いも言ったり、という感がある。たしかにこういう人間にはよくお目にかかる。二度繰り返される箇所に俗語が使われているのは、フランス語を学んだことのある方には一目瞭然だろう。ブラッサンスはこういう悪戯を平気でやらかすところが面白い。

 よく仕事の進め方に巧遅だ、拙速だという言い方をすることがある。前者は上手ではあるが、仕上がりの遅いことを、後者はまずくても出来上がりの早いことを指す。むしろ拙速をよしとする傾向もあるようだ。が、時間をかけた方が望ましい結果を得ることができるケースだってあるはずだ。今回の小泉首相の訪朝は急ぎ過ぎたように思えるのだが…。
 日本国民は“間抜け”だと金正日総書記にナメられないよう、僕たち自身も気を引き締めねばなるまい。


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公開は6月中旬から、恵比寿ガーデンシネマで。
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[日時]6月21日(月)、22日(火)
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ホットで凝縮した時間  5月24日(月) 曇り

 

 ホットで凝縮した時間を過ごした。一昨日の22日土曜日、オーマガトキから依頼を受けた通訳の仕事の場に流れていたのはそんな時間。
 コンサートのためにいまマヌーシュ・ギタリスト、チャヴォロ・シュミット Tchavolo Schmitt が来日中だ。21日、従兄弟に当たるドラド・シュミットDoado Schmitt、その息子サムソン Samson らとNHKの昼の番組に生出演している。

 土曜日はキヨシ小林&シプシー・スウィング・ギャング:Masayoshi Tomioka(g)、Nao Kobayashi(g)、Yuji Nagayama(b)のメンバーのニュー・アルバムのレコーディングにチャヴォロが参加した。チャヴォロへのオマージュである「アルザスから来た男」と「チャヴォロ・スウィング」の2曲を収録することになっていた。キヨシさんは昨年末に《Django swing》(OMCA-1025)をオーマガトキからリリースしている、日本でトップクラスのこのジャンルのギタリスト。このアルバム中の「コバ・ミュゼット」は僕も好きな曲だ。

 午前11時。神楽坂の閑静な住宅街の一角にある瀟洒なホテルに迎えに行く。女性マネージャーのベアトリスさん、チャヴォロ、オーマガトキのTさんと一緒に赤坂にあるコロムビアスタジオへ。三々五々、ミュージシャンたちが集まって来る。

 実際に演奏する前、曲調を知るために「アルザスから来た男」をみんなで聴いた。スローでメロウなメロディーは、すぐにチャヴォロの心を捉えたようだ。目を細め、何度も頷きながら聴き入っていたから。
 スタジオ内に全員入り、位置につく。ぐるりと輪になって演奏が始まる。ギターを手にした途端、チャヴォロの指は雄弁になる。思いもかけないフレーズがその指先からほとばしる。その力強いこと。いつもながら凄いなぁ、と思う。が、でかい音で弾きまくるだけじゃない。時には幼い女の子を扱うみたいに優しく弦を鳴らす。

 コンサートでは1回限りの演奏だ。が、レコーディングでは何度も録リ直した。「アルザスから来た男」1曲だけで3時間ほどを使った。ほんのちょっとした箇所が気になってOKを出せないのだ。より良い演奏を残したい、という強い意気込みが傍らで見ていてもはっきり感じられる。素敵な曲を提供してくれたキヨシさんへの感謝の気持ちもあったのだろう。

 それぞれの楽器を通じて、瞬時にミュージシャン同士の会話が成り立っていく様子を見ているのは楽しい。羨ましくさえある。その瞬間からもう、僕の通訳など必要なくなってしまうのだから。僕は彼らにそうした状態になって貰うまでの段階のお手伝いをしているに過ぎない。彼らが相互のエモーションを感じ合い、ノリを共有してくれればきっといい演奏になる。そんな時、みんないい表情をしているものだ。

 帰りのタクシーのなかでチャヴォロは言った。「日本にいると生きてるって思うんだよ」。手伝いの身にも嬉しい言葉だ。


♪Petites Annonces♪

サムソン・シュミット・カルテットwithドラド&チャボロ・シュミット公演
 5月25日(火)広島クラブクアトロ
  /27日(木)大阪・梅田バナナホール
  /28日(金)名古屋クラブクアトロ
  /29日(土)東京・クラブエイジア〜マヌーシュ・スウィング・パーティー
  /30日(日)東京・九段会館
 [予約・問合わせ]プランクトン03-3498-2881


♪Petites annonces 〜1

☆ピアフの名曲・名唱196曲を手に入れてみませんか。

『エディット・ピアフ大全集 1946-1963』(CD9枚組:東芝EMI CP28-5791〜5799)。
通信販売で、という方は東芝EMI株式会社ファミリークラブ(Tel 03-5512-1763)へ。商品番号「10362」とお申し込みください。
他社のファミリークラブなど通販会社をご利用の場合の商品番号は「GSD-12201-9」。

 [公演問合わせ先]

 ◎「パリ祭」
  パリ祭実行委員会
  Tel:03-3533-1300
  URL:http://www.paris-sai.com

 ◎ミュージカル『エディット・ピアフ』
  株式会社 三都企画
  東京都港区芝3-40-6港ビル本館6F
  Tel:03-5443-7576
  Fax:03-5443-7295
  mail:san@mitokikaku.co.jp
  URL:http://www.mitokikaku.co.jp

 ◎『愛の讃歌〜ピアフとマルセル 愛の手紙』
  バウスプリット株式会社
  東京都江東区富岡2-5-6-101
  Tel:02-3642-4422
  Fax:02-3642-4423


♪Petites annonces 〜2

映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』

[監督]
  マルセル・シューバッハ

[出演]
  モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベート・ロス、小林十市、クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタヴィオ・スタンリー、モーリス・ベジャールバレエ団

公開は6月中旬から、恵比寿ガーデンシネマで。
 tel.03-5420-6161
 http://www.cineplex.co.jp

詳しい情報はhttp://www.bcommebejart.comをご参照ください。

 バルバラ、ジャック・ブレルのシャンソンが多用され、モーリス・ベジャールのひとつのバレエ作品『リュミエール』が創り上げられるまでを追ったドキュメンタリー。プログラムに僕が映画で取り上げられたシャンソンについての解説を書いています。


♪Petites annonces 〜3

 カーラ・ブルーニ
  デビュー・アルバム
 『ケルカン・マ・ディ
  〜風のうわさ』
 (コロムビア V2CP-181)
 日本盤のみCD extra
 「ケルカン・マ・ディ」
  レオス・カラックス
  監督作品PV収録

フランス・アーティスト来日情報

カーラ・ブルーニ Carla Bruni

[日時]6月21日(月)、22日(火)
    18h30開場 19h15開演
[会場]恵比寿ガーデンホール
[主催]J-WAVE
[後援]フランス大使館文化部
[協賛]恵比寿ガーデンプレイス株式会社
[協力]コロムビアミュージック
    エンタテインメント株式会社
[企画制作]カンバセーション
[料金]\8,500(全席指定・税込)
[チケット取扱い]
チケットぴあ
 0570-02-9966/Pコード:P169-782
ローソンチケット
 0570-063-003/Lコード:L33331
イープラス
 eee.plus.co.jp(PC、携帯から利用可)
カンバセーション
 03-5280-9996(10h00〜19h00)


♪Petites annonces♪
『素顔のエディット・ピアフ』
(エプコット ALB-0020 2枚組)
〈発売・販売元〉エプコット
http://www.alcine-terran.com
『エディット・ピアフ 天に届く声』
《Edith Piaf la voix montait jusqu'au ciel》
『エディット・ピアフ
  シャンソンの誕生』
《Edith Piaf Quatre ans deja》
〈翻訳〉宇藤靖子
〈協力〉大野修平
¥9,240(本体価格\8,800)

このDVDについては、4月23日付「幸せなのは一日に10分だけ…」に紹介文を書きました。本欄上部の「バックナンバー」で当該の日付をクリックしてご参照ください。